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JAS構造材を使った家づくり
2019年03月26日
先日、交野市のH様邸のTIPの施工が終わりましたので検査をさせていただきました。
TIP工法は、TIP協会の施工要領に則った施工が重要ですので、仕様通りの施工の確認と材料のチェックをいたしました。棟梁の力の入り方がわかる、見事な出来栄えでしたので、お施主様にもその旨、お伝えをさせていただきました。
その日の日没後には弊社恒例の「ライトアップ」、これから外断熱材の施工が進むと見えなくなってしうすTIP工法に、皆で名残を惜しみました。
TIPのヒノキの板の隙間からもれる光を、お施主様ご家族様とご一緒に、楽しませていただきました。
ところで、弊社では柱や土台などの構造材は「国産の無垢のヒノキ」を標準としています。ただ、それだけでは無く「JAS規格」に則って製材されたヒノキを使用しています。
この交野市のH様邸にも「JAS規格」を示すシールがすべての柱や土台に張られていました。(写真では角度によって、シールが見えない柱が写っていますが、これは柱の向きですので、ご興味のある方は、ぜひ一度現場をご見学くださいませ。)
JAS規格では柱や土台にとって重要な、材木の強さ(たわみにくさ)を表すヤング係数Eと、材の形状安定性を推し量る含水率SDが定められています。シールにはこの基準が表示されています。ちなみにヤング係数Eは1本1本違いますので、すべての柱にE110などの実測値が刻印されています。
シールに表示された規格はヤング率Eが90以上で含水率SDは15以下ですが、交野市のH様邸では、ヤング率E130と刻印された柱が数本視認されました。もっとゆっくり調べれば、規格を上回る性能をもった柱がたくさん確認できそうです。
このようにJIS規格に則り、含水率とヤング係数を1本1本実測した材木を「機械等級区分構造用製材」と呼んでいます。
ただこの信頼性の高い国産の無垢の材木を製材できる製材所は、全国4800ヶ所の製材所のうち、約70ケ所しかありません。あと順次下がって「目視等級区分」があり、ほとんどの流通材は「無等級材」となります。
コンクリートや鉄材などには厳格なJIS規格(日本工業規格)があり、どのような現場でも当たり前に使われていますが、木材に関してはプロの認識が低いのか、お施主様にこのことが伝わっていないことが残念ですね。
大地震に備えた家づくりにとって最重要な構造材に何が使われているか、もう一度、確認しても損はないのではないでしょうか。
弊社ではすべての建物を構造計算いたします、法律では義務付けられていませんが、「JAS製材」とあわせて信頼性の高い木造住宅をご提供させていただいております。
来る4月14日には松井修三氏を迎えて「いい家セミナー」を開催いたします。ぜひご参加くださいませ、お申込みお待ちしております。
ライトアップは日没後の遅い時間に実施します。お施主様にもご足労頂きましたが、高性能なカメラを持参され、棟梁や現場監督との集合写真を何枚も撮られていました。楽しいイベントになりました、H様、本当に有難うございました。